全校生徒からハブられた話⑪
そこは人の書き込みに対して
コメントも出来るサイトだった。
でも死にたくなる、又は生きたくない人が
集まるサイトなだけあって
誹謗中傷は殆ど見られなかった。
どっちがどっちの書き込みに反応したのか
詳しくは覚えていないけれど
私はそこで一人の女の子と仲良くなった。
その子は私と似た様な境遇にいて
同じ様に死にたがり
同じ様に生きる理由を見失ってた。
彼女と仲良くなるにつれ
私は彼女を心の拠り所にしていった。
嫌な事があったら帰宅後彼女に話した。
彼女もまた、私に日々の暗いところを話してくれた。
だけど一定のラインをずっとお互いに守っていて
同い年でもどんなに長く関わっても
お互いに敬語をやめなかった。
それに付け加え、お互いを大切にし続けた。
「言いたくなかったら言わなくて大丈夫です。」
とか
「部外者なのに分かった様にごめんなさい」
とか。
そういう言葉を欠かさなかった。
思い遣りを持った上で丁寧な言葉を使った
やり取りをするのはいじめてくる人達と違って
自分は低俗じゃないって思えた。
彼女は私と同い年の割には
凄く大人びた印象だった。
彼女のサイトに貼ってあった写真しか
見た事はなかったけれど
細く白い手足が長く伸びていて
毛先に向かって軽くなるセミロングが
よく似合っていて
目元を隠すティアドロップのサングラスが
さらに大人っぽさを強めていた。
とても格好良くて
私は次第に彼女に対して憧れみたいな気持ちも
抱いていった。